研究内容
 

中心市街地土地利用
地方都市中心市街地の低未利用地の現状と活用方策に関する研究

 現在、人口減少、少子高齢化、自治体の財政状況の悪化等、地方都市を取り巻く状況は厳しいものであります。また、モータリゼーションの進展に起因する郊外スプロール等によって、中心市街地の空洞化が著しく、商業の衰退が深刻です。このような社会背景のなか、駐車場、空き地、空き家、空き店舗、空きビルなどの低未利用地が増加しており、これらは、まちの魅力を損なうものとなっています。また、地方自治体は、都心居住の推進をはじめ、市街地の再構築を図るべく、各種施策を準備しているが、空洞化に歯止めをかけるには至っていません。山口県宇部市においてもこれらの問題は、今後の持続可能なまちづくりを目指すうえで解決すべき重要な課題であると思われます。

1)計画的な駐車場整備と採算シミュレーション
 宇部市中心市街地低未利用地の実態を把握した上で、その有効活用の手法を検討します。宇部市の中心市街地では、総宅地面積の20%以上が駐車場として利用されており、今後も増加することが考えられます。しかし、それらの駐車場は利用率の低い店舗等の専用駐車場や月極駐車場であり、来街者のための一時預かり駐車場が不足しています。
 そこで、来街者のための駐車場整備を行う事業の導入を検討し、事業の採算シミュレーションを行うことで事業による効果、実現の可能性を考察しています。

2)市街地再開発事業の事例調査と市街地再編整備手法の提案
 全国で行われている市街地再開発事業の中から、複雑な手続きを必要とせず、比較的少人数で実施できる優良建築物等整備事業の事例を調査しています。これらの事業により市街地の再編を行うことで、ゆとりある住環境の創出、回遊性の高い魅力ある中心市街地を実現する手法を研究しています。


   

中心市街地(左から宇部市、高松市、新居浜市、西条市)の駐車場調査



〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1 山口大学工学部本館2階209号