急速なモータリゼーションの発達に次ぎ、都市郊外に大型商業施設が進出している現在、地方都市においては、都市機能のスプロールが深刻な問題となっている。これは中心市街地の衰退を牽引するばかりではなく、用途白地地域における乱開発も招いている。
2000年都市計画法改正により区域区分制度の選択制が創設後、用途白地地域のマスタープランの策定や地区計画等で良好な住環境へと導く方策が検討されつつあるが実現が困難な状況である。また、都市計画法では、法改正以前より開発行為に対して第33
条の技術基準の規制が課され、市街地として最低限必要な水準を確保する為に設けられている。この技術基準の運用では、地方公共団体の委任事務となっており、運用の違いにより住環境のグレードに差が出てくる。
そこで本研究では、中国、四国、九州地方の技術基準の運用動向に着目し、運用状況を調査した上で、用途白地地域の開発圧力が高い地区を抽出し、技術基準の運用からみた住環境上の課題を指摘した。